第6集 ガーベラ


                                              
もくじ 
『さびしい気持ち、苦しい気持ちを、どうしよう?』 

『自分にどんな言葉をかけている?』 

 

 

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『さびしい気持ち、苦しい気持ちを、
どうしよう?』

ひしひし じわじわ キリキリ…
わきおこる、こみあげる、しのびよる…
さびしい気持ち、苦しい気持ち。
これ、どうしたらいいの?

身体を動かす? 楽しいことをする? 
誰かに聴いてもらう? 一人もだえる?

他の人はどんなふうにしているのかな?
語ろうよ

 


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●さびしいときや苦しいときは、母に言います。誰もいないときはラジオがいいです。眠れないときは深夜放送を聴きます。

●私も苦しい気持ちのときは、いろんな人に話を聞いてもらいます。母とか兄弟とかお医者さんとか。「気にすることないよ」と母は言ってくれます。妹は自分の体験から「大丈夫」と言ってくれるので説得力があります。主治医もよく聞いてくれます。聞いてもらうと気持ちが明るくなります。

●ちゃんと相談できるところがすごいなと思う。私は、家族に苦しさを見せられないです。主治医に話そうとしても、元気そうに見られてしまって上手く伝えられない。

●一人暮らしなので、一人で考え込んでしまう。悩みを抱えると、食欲もなくなって…。
 あるとき、「あー、自分は今さびしいんだなー、苦しいんだなー」と口に出して言ってみたら、少し楽になった。

●さびしい気持ち、苦しい気持ちは、知らない人に話しても理解されにくいけれど、caféで共感してもらえることで、今は平穏な気持ちになっている。年末年始は特にさびしさ感じるので、家を出て、人混みの中に入るようにしている。

●一人でいる孤独感と集団の中で感じる孤独感は、違うよね。


―― 話せないことは、つらいね
●まわりに聞いてくれる人がいるのに、話せないことがつらい。

●10代の頃の私は、悩みを誰にも話せなかったです。学生相談室に行くと「今日、悩みある?」ってカウンセラーの人がきいてくれるのに、「大丈夫です」と半年くらい答えていました。せっかく聞いてくれるのに、言えないなんて…と思って。それが、だんだんカウンセラーの人に話せるようになっていって、それから家族にも話せるようになりました。

●さらけ出すって難しいですね。くやしいとか怒りとか。今、自分が悔しいんだ、悲しいんだって、表現できるようになりたい。

●子どもの頃、ずっと家で一人だったから、さみしいという感覚がわからないんです。

●さみしさを感じるようになったのは、仕事をやめてから。
 居場所をなくしたからなのかな。
 それまでは、さみしさを仕事でごまかしていたのかな。

●私は、家庭環境は恵まれていたのに、どうしてさびしさを感じるんだろう。

●自分を許してあげてもいいのでは?

●優等生を演じていました。演じているから苦しいのかな、
 出しちゃえ出しちゃえって思って。
 相手のこと考え過ぎて、自分のことを4番目くらいにしていた。

●さびしい気持ち、苦しい気持ちを、どうしてだって考えてもわからないので、今、caféで「私、苦しいんだ」と言えるように、やってみているところです。吐き出す練習をしています。うまく言葉にできなくて、スキンシップをしてほしい欲求があります。それは、赤ちゃん返りだけれど、私にとっては一歩前進。今まではその欲求を消していたから。

●大きな存在に身をゆだねたいという思いは?

●大きな脚本があって、自分がその役を引き受けていると考えたら、(そういう本を読んで)とても楽になったんです。

 

 

―― あるがままに
●あがくこと。ここにいる人みんなで、共に。
 苦しいこの気持ちを否定しないこと。今、苦しいんだというこの気持ち、大切にしたい。なかなか難しいんだけど。

●あるがまま?

●それが難しいんだよねー。
 さびしければ、「さびしいー」と怒鳴っちゃえばいい。

●まっすぐに生きているところ、素晴らしい。

●あなたもまっすぐに生きている。

●でも、くじけそう。

●まだ、くじけていない。

●自分の不安に向き合っていること自体が、まっすぐ生きているということ。

●こういう場が持てて嬉しい。今、ここに居られて嬉しい。
 胸がいっぱい。感動している。

●同じテーマを、また継続してやれたらいいな。
 その時に、自分が違う言葉を言えたらいいな。


―― 感情は湧いてくるもの
●感情を抑え込もうとか、どっかにやっちゃおうとすることで何とかやれると思っていたけれど、そうはならなかった。抑え込むと、さらに湧いてくることがわかった。だから、もだえることが大事なのかな。「とき」が解決してくれるってこと、あるのかな。

●感情は湧いてくるもの。それを意思の力で抑え込むことはできない。何か楽しいことしようとして旅行に行っても、どうにも
ならない。

●受け入れる?

●もだえる。

●今、悩んでいることをスタッフに話して、とても楽になっています。

●わんわん泣いたことがある。
「オレがオレをゆるしてくれないんだ!」「オレがオレをゆるしてくれないんだ!」と。2回繰り返した。

●私の苦しさも、それかも。

●それが生きづらさの原因だと思っている。

●私も、それある。許すようにしているけど完全じゃない。

●生きていたら何とかなると思います。

●「何とかなる」をずっと自分に言い続けていたら怖いものなし、だね。

●突風にさらわれたらいいのに、と思うことがある。


―― 自分に優しくなりたい
●人に優しくするには、まず自分に優しくならなきゃ、ね。

●それが一番難しい。

●「自分に優しくしたい」って言っていたら、いつかそうなるのかなぁ~。

●入院していたとき、看護師さんから「人に言っている言葉を自分に言ってあげなさい」と言われたことがあります。

●自分に優しくできないことは思い上がりだと思う。自分はもっとできるはずだという。そんな思い上がりが、私にはあります。

●私も。

●私も。「自分の力で治す」と思ったり…。

●思い上がっているんだ、ということを
自分で知ればそれでいいと思う。
自分は誇り高い人間なんだなと。

●私は、思い上がっているのかな?と考えて、自分を責めていた。けれど、違うとわかった。私は「まわりの期待に応えよう、応えないと自分の存在が消えてしまう」と思っていることがわかった。それが自分に優しくなれない本当の理由なんじゃないか。
 自分の存在意義を求めているからなんだと思うと、自分に優しくなれます。

●自分を第三者の目で見てみたら「よくここまで生きてきた」と思います。

●頑張った!

●そうだそうだ!!

……感想……

●ここで話すことで、気持ちを吐き出せてよかった。

●深く話せてよかった。

●いろんな人の意見を聞けてよかった。
 ここに居ること、幸せだと思った。

●「重たい」と言われてしまうようなことを、普通に話せてよかったです。

●ラッキーアドバイスに「自分を許そうよ」も加えよう~!

●胸がいっぱい。一生噛みしめながら生きていくようなことを、今日話せてよかった。その時にできる表現をして、みんなと共に生きていきたい。

●私は仮面をかぶっているな、これを外せたら楽になるのかな。吐き出せない自分がいる。

●caféは深くて温かいなと思った。

 

第2回 2012年2月22日

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『 自分にどんな言葉をかけている? 』

自分がさびしいとき、くるしいとき、
困ったとき、迷っているとき、失敗したとき、

自分にどんな言葉をかけているのかな?

ねぎらいの言葉、
いたわりの言葉、
励ましの言葉、
カツをいれる言葉、
いろいろあるよね。

何も言わずに見守ることもあるかな。

マイッタ状態の自分にかける言葉に、
どんな効果があるのかな?

語ろうよ。

 


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●マイナス思考におちいらないように自分に言い聞かせます。「120%じゃなく80%の力でやっていこう!」って。
思考がマイナスに向わないように、軌道修正。それには「大丈夫だ!」と自分に言うこと。何度もくりかえして言うこと。

●毎朝起きるたびに「よく生きてるなあ。こんな辛い人生を、たいしたもんだ。普通の人ならまいっちゃうよ。俺ってタフなんだなぁ、強いんだなぁ、」って思います。これ、ほめ言葉♪ですね。
「そのうち、またよい日も来る。苦しいことばかりじゃない」って。

●ものすごい偏頭痛に苦しむ夜でも、僕は「生きたい!!」と思う。健康体のときは、こんな人生をやめて消えてしまいたいと思っていた。でも偏頭痛の痛みの渦中にいるとき、死にたいなどとは思わない。

●私は自分によく喝を入れる。「しっかりしろ!」って。自分を怒るというか、「カツ!」。そういうことが多いかな。

●世界は底知れぬ豊かな海。自分は小さいな。小さいことにクヨクヨしているな。もっと大きな世界が見たいなと思う。

●寂しいとき苦しいとき、以前は「もういいや。65まで生きればいいや」って、なげやりだった。今は「よく生きてきたな…」という風に変わってきた。

●イヤなことを人に言っちゃったり、失敗したりしたとき、気がつくと自分を責めているんですよね。

●なんとかしようと思うから苦しくなるのかな…。

●私は「自分のバカバカ」って言ってたりする。

●自分批判ばかりしていると、だんだん他人への不満になる。イヤなことがあって自分を責めてると、苦しくなっちゃって相手を責める方にいっちゃう。

―― 具体的に、言葉に出す
●私は、消えてなくなりたいと思うことがある。そんなときは、自分がどう苦しいのか、どう困っているのかを具体的に考えるようにしている。それを言葉に出す。「つらいよな~。なぜかな~。先輩に怒られたからかな~」というように。心の中で考えるんじゃなくて、声に出して言ってみる。

●心が落ち着くの?

●「あ、私はそう思っているんだ!」と気付く。
「消えてしまいたい→何でそんなこと思っているの?→あ、本当はそう思っていないんだ。そう思った方が楽だから、そう言ったんだ。→だから自分を責めなくていいんだ」
とわかるんです。

●自分で発した言葉に突っ込みを入れるんですよ。
「まいったな」→「それ違うだろ」「それ違うやり方があるだろう」というように。突っ込みをいれると面白いんですよ。明確になってくる。
ボケと突っ込み。それを重ねることで、自分が何を望んでいるのか分かってくる。

●自分が何を望んでいるのかを知るって、難しいんだよ。でも、ボケと突っ込みを繰り返していくことで、そこに近づくんだね。

―― 眠る&ホメホメ
●眠ると、ゴチャゴチャに整理がつかなかったものが、どっかの引き出しに整理されることありませんか?

●自分はマイッタ状態のとき、寝る前にホメホメワークといってcaféのえらいえらいワークと似ているんですけれど、「今日もcaféに行けた。みんなとしゃべれた」というように、心の中で○印をつけていくの。そうすると△のときでも、多少○かな、ということもあるんです。「よし!今日も生きてこれたから、◎二重丸!」そうすると朝気持ちよく起きれる。

●工夫をあみ出してるんだよね。

 

●あとね、気に入った服を選ぶ。自分がワクワクするような色を毎日選ぶ。みんなに見てもらうんだから、きれいにして、ちゃんとした生活を心掛けています。

●今苦しんだなーとか、今悲しいんだなーとか、自分が感じられることに肯定感がある。自分はちょっと進歩しているなって思うし、ヨシ!と思える。
「自分が苦しい」ということを昔は言えなかったので、本を読んで代弁してくれる言葉を探していた。今は絵を描いて、その絵の中に苦しい気持ちを込めることで「ヨシ!」と思う。すると、自分に対して「いいんだよ」という絵が出てくるんです。自分が楽になるような絵を背伸びして描くこともあります。

●以前は眠れなかったけれど、今は眠ることができる。そう思うとリセットできる。希望・期待が生まれてくる。そうやって気持ちを切り替えています。

 


―― ゆるしの言葉
●自分にかける言葉の中に、「ゆるし」の言葉も入れてほしい。
自分を裁いたりすることが多いけれど、今はそういう自分を、全てゆるしている。誰か他の人にゆるしてもらうんじゃなくて、自分で自分をゆるす。これ、結構ハードルが高いんですけれどね。大事なことと思う。

●素敵だなー。ちょっとそれを心にとめておくだけでも違うだろうなー。

●自分が自分に作っている壁があるんですよ。それを認めて受け入れる。それが「あるがまま」をゆるすことだと思う。

●どうやってゆるしているの?

●「まあいいじゃない」「しかたないよ」と。
言葉に出すことで、ずいぶん気持ちが楽になりますね。


―― 気持ちを言葉に
●何で言葉にすると楽になるのかなー? 

●「あるがまま」と言葉にすると整理がつく。どうしてなのかなー? 暗示をかけているような、ごまかしているような感じもまだあって…。

●気持ちを言葉にして話すと、確かに楽になる。ただ、それはどうしてかはわからない。

●私も「大丈夫、大丈夫」と自分に言葉をかけると、「大丈夫じゃないよ」という心の声もある。自分に言葉をかけたとき「そうは言うけれども~」と抵抗する声がきこえるけれど、じーっとしていることをやってみた。じーっとしていたら落ち着いてきた。

 

 

●何も考えずに頭を空っぽにして、瞑想状態にして過ごすこともある。するとそこからパッとひらめきが来る。
 考えるのが辛くてじーっとしていることあるんですよ。
 いつの間にか寝落ちしていることも。

 

●みんな色々工夫実践しているんだね。

●あー私、自分を肯定したいんだな~。
 人に言うと楽なのは、共感してほしいんだな~。
「そう感じていいんだよ」と思えるようになるんだなとわかりました。

●言葉というよりも『気持ち』を感じることだなあ。

 


第105回 2015年7月29日